かけらブログ

140文字より多いことを書く

これから追いつきやすい漫画のオススメ

最近読んでいる漫画をオススメする記事。

友人の誕生日に漫画をプレゼントすることが多い。
この理由はいくつかあり、

  • 不要になった時に処分しやすい
  • 場所をさほど取らない
  • 話題を共有できる
  • 布教になる
  • 安価

といったところ。
冊数があまり多くなく面白い作品であるので、オススメしやすい。

本記事では既刊10冊程度の漫画作品について、私見も交えつつの紹介としたい。

1. BEASTARS

BEASTARS 1 (少年チャンピオン・コミックス)

現在の最推し。既刊12巻。13巻は4月予定。

擬人化された肉食獣と草食獣が共に生きる世界を描く漫画。
肉食獣と草食獣は、それぞれ生まれついての強者と弱者であり、捕食者と被食者の関係を覆い隠すように社会生活を送っている。
肉食獣による捕食は重罪とされ、少なからぬ頻度で起こる”食殺”事件や、日々を送るために肉食獣へ課される差別的でもある大小様々な制限、動物の本能と社会性の衝突がテーマとなる。

最近読んだ漫画の中で最も鮮烈で面白く、試し読みしてすぐ全巻買った。
肉食獣と草食獣の共生社会という設定は「一体どうなるんだろう?」と疑問が湧くが、この無茶とも言える前提に対してキャラクター達の回答にリアリティがあり、読んでいてとても気持ちが良い。
多様性社会が孕むある種のいびつさを肉食と草食の対立により強烈に描き、どこまで行っても相容れない事象を前にして、情念を持ってこれを克服したいと願う、タイトルに反するようであるが人間性の漫画。
ちなみにこの作品のWikipediaはあらすじが全部書かれている最悪な代物なので見ないほうが良い。

1巻まるごと全部の試し読みアリ。是非。→ http://sokuyomi.jp/external/viewer2/?id=CO_bihsutahzu_003_0001-0

2. ブルーピリオド

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス)

既刊3巻で2/22に4巻が出る。

現代日本での美大受験をテーマにした漫画。
主人公は高校生男子。見た目は金髪ピアス、スポーツバーで夜通しワールドカップ中継見て、朝一でシメのラーメン食ってから登校するシーンから始まる。
とんでもねえDQNだが、校内テストは学年中で一桁の順位を取り、周囲からのウケは良く、両親の期待通りにいいとこの大学へ行こうとしている。
本質的に八方美人で、そうあるための努力を惜しまず、そうして作った自分に取り憑かれていて、最初のうちは自己欺瞞に陥ったキャラクター。
この主人公である八虎(やとら)が、自分の本音を表現できる絵画を志し、美術大学合格を目指して美術予備校を中心に絵の修業をする…、と言うのが現在の大筋。

タイトルのブルーピリオドは青の時代のことを指すが、主人公たちの青春時代という意味も持たせているのだろう。
努力の漫画であり、理論建てた絵画の手法と、その理論を踏まえた上での感性の表現に苦悩するシーンが面白い。
広い層にオススメできる漫画で、よそ行き的にオススメしている。
遠くないうちにドラマ化しそう。

1話の途中までの試し読みがある。→ http://sokuyomi.jp/external/viewer2/?id=CO_buruhpirio_001_0001-0

3. 映像研には手を出すな!

映像研には手を出すな! 1 (1) (ビッグコミックス)

既刊3巻。5月末に4巻が出る予定。

女子高生3人が部活でアニメーションを作る漫画。
これだけ言うとまんがタイムきららだが、各回は部活にまつわる予算取得、設備投資、工程管理、取材、広報、販売戦略など、極めて泥臭いアニメ制作が描かれている。
主人公たち3人は、それぞれに社会性をゴッソリ落っことしたキャラクターなのだが、得意分野においては抜群のパフォーマンスを発揮する。
この3人で始めた映像研が学内から躍進をしていく、というストーリー。

アニメ制作というテーマだと、絵を描くキャラクターが目立って活躍しそうなものだが、映像研で一番動くのは銭ゲバの巨女こと金森である。
こいつが辣腕を振るうプロデューサーとなり、他二名のケツを叩いて世に発表する作品を仕上げていく。
巻が進むごとに金森のパワーが増していくのが見どころ。
オタク気質の人間には強く勧めたい。

3話までの試し読みがある。→ https://bigcomicbros.net/comic/eizoken/

4. 衛府の七忍

衛府の七忍 1 (チャンピオンREDコミックス)

既刊6巻。7巻は4月予定。

江戸時代初頭をモチーフとした世紀末ワールドが舞台。
徳川幕府大阪城落城後、豊臣家やそれに連なる武家諸侯、さらには身分階層の最底辺に置かれた人々に苛烈な支配を行っている。
その中で、現世に未練を残して死んだ者が鬼となって復活し、階級社会を覆すべく戦いを繰り広げる時代劇バトル漫画。

作者の山口貴由覚悟のススメシグルイ辺りが有名で、そろそろ活動期間が20年になるベテラン漫画家である。
その漫画家人生で生み出したキャラクター達をスターシステムでごった煮にしてしまった快作にして怪作がこの漫画。
正確にはセルフパロディに近いところがあり、過去の作品をある程度知っているとより楽しめる側面がある。

具体的な内容は、ふたなり勃起チンポで人間の顔面をぶった斬るシーンなど、ナンセンスギャグのようなエログロだらけでひどく人を選ぶ。
しかし、本質は強烈な雄度の少年漫画で、弱きを助け強きを挫くカタルシス満載のヒーロー漫画であるので、好きな人はとても好きなはず。
アニメ化は強烈すぎて多分出来ない。

1話の途中までの試し読みがあるが、巻が進むごとに熱さが増すのでマンガ喫茶ででも読んでください。→http://sokuyomi.jp/external/viewer2/?id=CO_efunositin_001_0001-0

5. メイドインアビス

メイドインアビス 1 (バンブーコミックス)

既刊7巻。8巻発売時期は未定。

世界の果ての島にある未知の大穴「アビス」を冒険する漫画。
アビスは深くなるほど危険が増し、それゆえに情報は知られておらず、主人公たちの辿る道のりは常に死と隣り合わせ。
それでも好奇心に身を捧げ、ひたすらに大穴の底を目指す、ある種の狂気が根底にあるストーリー。

大ファンでスキあらば布教している。
すでにアニメ化されており、最新のストーリーは劇場版となるなど、まさにこれから原作を履修してほしい作品。
作品を表すなら、やはり”狂気”がしっくりくるところで、作中で「憧れは止められない」と表現されるように、アビスを進むキャラクター達は好奇心に狂っている。
大穴自体を信仰対象とするなど、登場人物の考え方はまさしく異邦人のそれで、良くできたハイファンタジーと感じる。
キャラクターデザインもファンタジー向けであるが、総じて心身ともに凄惨な目に遭うので、特殊性癖に目覚めること請け合い。
また、同じ作者の短編で「スターストリングスより」という作品があり、メイドインアビスに通底するものがあるため、そちらも勧めたい。

ネット連載で、1~4話が無料で読める。新しい話も読めるがこれはちゃんと追いかけてからが良い。 → http://mangalifewin.takeshobo.co.jp/rensai/madeinabyss/

だいぶ長文になったので一旦ココまで。