かけらブログ

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帰ってきたヒトラー

映画の感想。

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現代ヨーロッパにヒトラーが蘇るコメディ、と銘打った風刺映画。

ヒトラーは1945年に自殺した直後の記憶を持って現れる。
かつての自分の失敗を活かし、再びカリスマに返り咲いていく様は一種”なろう”的な面白さがあった。

序盤は浦島太郎的な滑稽さを押し出していて、かつてのヒトラー映画のオマージュをやったりと、この辺りまではコメディである。
しかし、ヒトラーがインターネットを始め現代の技術に触れ、知識のキャッチアップを行ってからは風刺の色合いを強めていく。

この映画の一番の面白さは、劇中でドキュメンタリー風のシーンで描かれるヒトラーと市民のやり取りである。
ドキュメンタリー風に撮った映像と見せて、実際に役者が一般市民が行った本物のやり取りであるらしい。
ヒトラーの格好でナチス式敬礼を繰り出すなんて大顰蹙を買いそうなものだが、実際のヨーロッパではタブー感が薄れているようだ。
この点がこの映画の価値で、「本当のことがわかると怖い話」であり、よく出来た風刺映画だったと思う。